
少しずつ暑さがやわらぎ、スーパーや八百屋には秋の味覚が並んでいます。さつまいも、きのこ、梨、ぶどう、りんご、新米……「実りの秋」という言葉のとおり、秋はおいしいものがたくさん!そんな秋こそ「食育」を楽しむのにぴったりな季節です。今回は日々の中で簡単にはじめられる食育のアイディアをご紹介します。
「食育」というと、栄養について教えたり、料理を一緒につくったりすることを思い浮かべ、「ちょっと苦手だな⋯」と思うかもしれませんが、何も難しいことはありません。食材を見たり、触ったり、「さつまいもは、土の中で大きくなるんだよ」「きのこって、いろんな種類があるね」「さんまはどれかな?」と、スーパーをあちこち歩きながら会話をすることも食育ですし、秋の食材を題材にした絵本を読みきかせるもおすすめです。
いまわが家の子どもたちが気に入っている絵本は、こちらの『いちにちおこめ』。田んぼでたねもみからお米が育ち、収穫され、食卓に届くまでが描かれた絵本で、「いつも食べているお米は、どうやってできるのか?」を子どもと一緒に想像するきっかけになります。⋯⋯が、そんな親心とは裏腹に、実際に子どもたちが気に入っているのはお尻を突き出しながら田植えをしているイラスト。そのページを開くたびに「おしりーー!!!」とひっくり返るほどゲラゲラ大笑いしています⋯(苦笑)。
この絵本を読みながら、9割方おしりの話題になっている気もしますが(笑)、それでもお米ができるまでの流れはしっかり覚え、「おこめはのこさずたべなきゃいけないんだよね!」と食べることへの意識も高まっています。思いがけず「おしり」をきっかけに、食べものへの興味が育っているので、これも立派な食育かもしれません。
秋の味覚は、ただ「食べる」だけでも十分おいしいものですが、子どもと一緒に見たり、くらべたり、言葉にしたりすると、そこから小さな食育がはじまります。
わが家の子どもたちは大の果物好きなので、食後のデザートはいつも季節のフルーツ。秋はぶどうや梨の盛り合わせがよく登場しています。
「どっちが好き?」「梨はシャキシャキしてるね」そんな会話をしながら、旬のおいしさ知り、味わうのも食育と言えます。
ただし、幼児期の子どもと秋の味覚を楽しむときには、年齢や発達に合わせて、食べやすい大きさや硬さにするなどの工夫も大切です。
たとえば、ぶどうは丸くてつるつるしているため、丸ごと与えると窒息につながるおそれがあり、消費者庁では、ぶどうやミニトマトなど球形の食品は4歳を目安に4等分するなどの工夫を呼びかけています。
りんごや梨は硬く、子どもの噛む力によって噛み切りにくいことがあるので薄く切る、小さくする、加熱してやわらかくするなど、年齢だけでなく、その子の噛む・飲み込む力に合わせて食べやすい形に調整しましょう。
ちなみに、6歳の上の子はちょうど歯の生え変わりの時期。乳歯がグラグラしていたり、前歯が抜けているとりんごや梨は食べにくそうなので少し薄めに切っています。「○歳だからこの大きさに」と決めるのではなく、そのときの子どもの様子を見ながら食べやすくすることも大切です。子どもの成長に合わせて小さなひと工夫を取り入れながら、おいしい食育の秋を楽しんでくださいね。
食べることを通して、食材や料理への興味を持ったり、食べることの楽しさを知ったりすること。幼児期は、食べものを見たり、触ったり、料理や食事の準備に関わったりする日々の経験も食育につながる。
次回は12月中旬公開予定です。