
いつもkids-foodictionaryを読んでいただきありがとうございます。おかげさまでこのコラムは30回目! 今回はこれまでに友人やSNSを通じて寄せられたお悩み、疑問、質問、そして私自身が子育てや幼児食づくりの中で気になったことの中から30をピックアップ。幼児食インストラクターの視点と個人的な考え、先輩ママたちから聞いた解決策、わが家のエピソードなどを交えながら2回に分けてこたえていきます。
ダントツで多い「野菜」のお悩み。幼児食期は、食べられる(好きな)野菜を取り入れながら、ときどき食卓に苦手な野菜を小さく添えてみてください。ひとかじりしたら「食べられたね!」「かっこいいね!」とたっぷりほめて。食べなくても叱らず、またの機会を狙いましょう。
保育園で食べているのは、きっとお友だちがおいしそうに食べていたり、食べてほめられている姿を目にしているからかもしれません。幼いながらに社会の中で成長している証拠です。
味覚は成長とともに変わっていくので、長い目で考えて。元気に育っていれば大丈夫です!
「おやつ」の与え方。これも「野菜」に続き永遠の課題ではないでしょうか⋯? 毎回あげてしまうとそれが習慣になってしまい、かといって禁止すると余計に食べたくなるもの。「3時になったら食べよう!」「外へ遊びに行かない?」「料理のお手伝いしてくれる?」などの提案を。ガマンができたらほめることも大切です。わが家も毎日おやつ攻防戦を繰り広げています。あの手この手を使いながら・・・本当に永遠の課題ですね。
食中毒予防のために添加物が含まれ、味が濃くつくられる傾向にあります。私自身はコンビニ弁当を子どもに食べさせるのを躊躇してしまうので、できれば避けてほしいですが、活用したいときは成分表示をチェックしてなるべく添加物の少ないもの、食べやすいかたさのもの、栄養バランスがよいものを選ぶのがよいでしょう。
幼児に適した1日あたりの果物の量は1〜3歳未満で100g、3〜6歳未満で150g。甘いお菓子を食べるよりマシと思うかもしれませんが、果糖が含まれ与えすぎてしまうと肥満の原因になるので、おやつの時間に食べる、食事をきちんと食べたあとのデザートに⋯など食べるタイミングをきちんと伝えましょう。わが家の子どもたちも無類のフルーツ好きで、目と手に届く場所に置いてあると勝手にどんどん食べてしまうので、冷蔵庫などに隠し、毎食後に決まった量を出すようにしています。大盛り特別サービスにしても毎回「おかわりある〜?」とねだられますが(笑)
酒やワイン、みりんを料理に使うとコクや深みが生まれます。加熱して蒸発させれば子どもが食べても影響はありません。
ただし酒粕漬けやラムレーズンはアルコールが残っている場合があるので与えないように注意を。
幼児期は一度に多く食べられないので、1日3回食事をとることが大事。一日のはじまりに活力を得るためにも食べさせたいものです。朝起きてすぐは食欲がわかないこともあるので、少し起きる時間を早めるなど生活リズムを整えて。それでも食べないときはバナナ1本からはじめて「朝に食べる」習慣を!
ちなみにわが家の上の子は起きて15〜20分はごろごろしていたいタイプ、下の子は起きて10秒で朝ごはんを食べはじめるタイプ(笑)。子どもによるので朝出かける時間から逆算して起床時間を決めましょう。
食事に集中できない原因は主に2つ「お腹がすいていない」または「ほかのことが気になっている」です。遊びを妨げて食事をはじめる、テレビがついている、またテーブルの高さがあっていない、足が床についていないなどの食事環境が整っていないと落ち着いて食事ができません。食事前のおやつも可能な限り控えて!(と書きながら自分にも言い聞かせています⋯)
世の中ではチョコレートは3歳以降を目安に⋯と言われています。その理由はチョコレートの脂肪分や糖分を消化しにくいことや、濃い味覚に慣れさせないようにする、虫歯リスクなどが挙げられます。私自身、子どもには存在すら知らせないぞ!と思っていたのですが、どこからともなく知ってしまうんですよね〜(苦笑)。5歳と3歳、チョコレート大好きです!なので食べるときは、少量を守り食べたらしっかり歯磨きをルールにしています。
私の友人から「チョコレートという名目で羊羹を与えていた」「苦〜い悪魔の食べものだよ、と伝え回避していた」という話も聞きました。チョコレート問題、試行錯誤ですね。
ハンバーガー、フライドポテト、ジュース⋯脂質や塩分、添加物も多く、味付けも濃いので食べるなら3歳以降が望ましいでしょう。わが家ではファーストフードをたまにテイクアウトしますが、ポテトは塩なしでオーダー、ミニトマトやきゅうりなどの野菜やフルーツを添える、ジュースは半分にするなどして罪悪感を減らすようにしています。完全に悪あがきですが(笑)
子どもが食べられる食材、好きなものを中心にメニューを考えるとワンパターンになってしまいます。なので先に大人の献立を考えて、それを子ども用にアレンジするとバリエーションが広がります。例えばタコライスはスパイスを控える、麻婆豆腐や担々麺などは豆板醤などの調味料を使わずに仕上げ、辛味は大人向けに後から足すと親子で一緒に食べられるメニューが増えるはず。
新鮮な魚なら細菌への抵抗が強くなる2歳くらいから食べさせることができます。鮮度や調理方法によっては細菌感染やアレルギー症状がでることもあるので、まずは少量の白身魚から食べさせるのがおすすめです。
子どもが魚を苦手とする理由は、独特なニオイやパサついた食感などが考えられます。鮭や白身魚にマヨネーズを塗って焼いたり、ニンニクで風味を付けたり、鶏のから揚げと同じ味付けでマグロを唐揚げにしたり、まずは子どもの好きな味付けで試してみてください。
ちなみに、わが家の5歳児は好んで生魚を食べないのですが、とあるアニメの鉄火巻をモチーフにしたキャラクターを知ってから鉄火巻が大好物です。食べはじめる理由はさまざま。さかな図鑑を読んだり、スーパーの鮮魚コーナーを一緒に眺めたり興味を引き出すきっかけづくりを。
辛味の強いカレーは幼児の胃腸に負担がかかります。家庭でつくるときは、香辛料を入れる前の段階で取り分け、1〜2歳の子どもには子ども向けのカレールーや少量のカレー粉で対応を。3歳を過ぎると大人用のカレーも食べられますが、甘口を選ぶか、中辛なら牛乳を加えてマイルドな味わいに仕上げましょう。味覚は個人差があるので子どもの様子を見ながら辛さの調節を。
大人のマネが大好きな子どもたち、「かける」ということを楽しんでいる可能性も高いです。わが子たちもケチャップやマヨネースのボトルを目にするなり「マヨネーズかける〜」「じぶんでかけた〜い」と余分にかけ、テーブルにこぼすことも必至なので、コロッケやカツにはあらかじめソースをかけてから食卓に出し、ボトルを食卓に置かないようにしています。お皿にソースを少量取りわけておき、つけて食べるようにすると分量を減らせます。
完結にこたえるとNOです。麺のコシを出す増粘安定剤、酸化を防ぐ酸化防止剤などが使われ、過剰摂取を避けたいリン酸塩も多く含まれているので幼児に与えるのは避けたいところ。わが家の子どもたちはラーメンが好きで、よくリクエストされるので、なま麺を使い添加物の流れ出た茹で汁は捨て、ラーメンスープは無添加の鶏ガラだしと醤油、ごま油でつくって食べさせています。キャベツやにんじん、ほうれん草をトッピングすれば野菜も喜んでもりもり食べてくれます。
質問を読みながら「わかる〜!」とうなずけるものがたくさんありました。私自身も日々悩みながら食事づくりをしているひとりの母でもあるので、うまくこたえられているかは分かりませんが、少しでも参考に、そして心がふっと軽くなっていたらうれしいです。後半に続きますので、お楽しみに!
次回は12月25日(木)公開予定です。