卵、乳、小麦、ナッツが多くを占める
「食物アレルギー」のいま

卵アレルギー、乳アレルギーなど特定の食材を食べることによって、目が痒くなったり、じんましんや嘔吐などの症状を引き起こす「食物アレルギー」。自身や自分の子どもがアレルギーでないと、知っているのはその程度…という方が多いのではないでしょうか？ 人間の体には、食べ物を異物として認識しないようにするしくみがあり、その栄養素を消化・吸収していますが、本来無害なはずの食物に対して免疫が過剰に反応し、さまざまな症状が起こることを「食物アレルギー」と言います。アレルギーの原因は遺伝や環境が関係していると考えられ、“自分も子どもの頃にアレルギーだったから…”という声もよく聞きますが、明確な原因は特定されていないようです。

原因となる食べ物は年齢によって傾向があり、0〜3歳ごろは鶏卵、牛乳（乳製品）、小麦が多く、それ以降の年齢では果物類、えびやかになどの甲殻類、そばなどが挙げられます。初めての食材はアレルギー反応が出ることもあるので子どもに食べさせるときは、少量から与えるようにしましょう。消費者庁が3年ごとに実施しているアレルギー全国実態調査において、2021年度は鶏卵、乳に次いでくるみやカシューナッツなどの木の実類が第3位という結果となり、ナッツアレルギーの割合が増えていることも分かっています。誤飲もあり幼児にナッツを丸ごと与えるのは好ましくありませんが、ナッツの粉末がお菓子や加工食品に混ざっていることもあるので要注意です。

アレルギー食材は除去
加工食品は原材料表示をチェック！

食物アレルギーがある場合、その特定の食材を除去する必要があります。自身や家族がアレルギーでないと見落としがちですが、アレルギーを持つ子と一緒に食事をしたりおやつを食べる機会もあると思うので、アレルギーの有無を確認し、加工食品を選ぶ際には原材料表示を確認するようにしましょう。
患者数が多く、深刻な症状を引き起こす8品目は表示が義務付けられているので確認を。2023年3月に食品表示基準が改定され「くるみ」が追加されました。表示が推奨されている20品目と併せて紹介します。

表示推奨の20品目については表示義務がなく、気づかずに食べてしまう可能性もあるのでアレルギーがある場合は注意が必要です。また、量り売りの惣菜やパン、レストランなど飲食店のメニューには原材料の記載は義務付けられていないので、気になるときは食品製造会社や販売会社の相談窓口、飲食店のスタッフや責任者に問い合わせましょう。最近はアレルギー8品目不使用の加工品やメニュー、米粉や豆乳で代用した製品も増えているので活用するのもひとつ。自身の子どもだけではなく、親戚や友人の子どもが「食物アレルギー」であることもあるので、食事をともにするときは事前にアレルギーの有無を確認するようにしたいですね。

次回は「食物アレルギーの話」続編として、アレルゲンとして多い「卵」「乳」「小麦」の注意事項や食事のポイントについてお伝えします。