kids-foodictionary

[ vol. 6 ] Nov 30.2023

“遊び食べ”は成長の証であり自立への一歩

1日3回やってくる食事の時間。食事をつくるのは大変ですが、介助や食べこぼし、遊び食べに付き合うのはもっと大変…というパパやママは多いはず。手づかみ食べがはじまる9カ月から2〜3歳ごろまで何かと頭を悩ませる”遊び食べ”。子どもが遊び食べをする理由とは?

“遊び食べ”は成長の証であり自立への一歩

“よく遊び、よく学ぶ”
自分で食べるためのステップ

子どもは9カ月ごろになると“手づかみ食べ”をはじめ、次第に食べものを手でぐちゃぐちゃ握ったり、床に落としたり、スプーンでテーブルを叩いたり、といった“遊び食べ”がはじまります。

・カレーライスを手でにぎり「グーパーグーパー」
・パンをちぎって床に「ぽいっ、ぽいっ…」
・スープにスプーンを入れて「ちゃぷん、ちゃぷん、ちゃぷん〜」
・両手にお箸を一本ずつ持って頭を「てんてん〜♪」
・みそ汁のわかめを取り出して鼻の下にのせ「おひげ〜」

一部遊び食べの範疇を超えているかもしれませんが、わが家の1歳と3歳による遊び食べ備忘録です・・・。困った顔や悲しい顔をしてみせると逆に喜んでしまうのでお手上げ状態!ですが、これは身体を自由に動かせるようになり、いろいろなことに興味を持ちはじめたという成長のあらわれ…(そう言い聞かせています!!)。大人には遊んでいるように見えても、子どもが食べものや食器にふれることは、自分の手で確認して学習するということ。目で食べものの大きさやカタチを学び、手でさわってかたさや温度を確かめ、この先スプーンやフォーク、お箸を使って一人で上手に食べられるようになるための準備をしているのです。

幼児食を食べはじめる1歳ごろからは手づかみ食べしやすいメニューを献立にひとつ取り入れるとよいでしょう。カレーや納豆を手づかみされると大人の悲鳴しか聞こえてこないと思うので(苦笑)野菜の煮物や卵焼き、ハンバーグなど、小さな手でつかみやすく、こぼしてもあまり汚れないものがおすすめです。個人的には手づかみ食べしている間は、見守る必要はありますが介助しなくてよいので、むしろラクな気がしています。何より遊び食べにはブームがあります。ある一定時期を過ぎるとしなくなるので、「遊び食べ」=「成長の大切な過程」と見守るのが一番です。

食事モードになっているか、チェック!

遊び食べする理由のもうひとつとして、お腹が空いていない、食事に集中できていないことも考えられます。「子どもが集中できてないかも!?」と感じたら、以下のチェックリストを参考に食事環境を見直してみてくださいね。

Check!

□おもちゃが片付いていない

遊びはじめたばかりだったり、おもちゃが視界に入ったりすることで、気持ちが遊ぶモードになっています。

□テレビがついている

音声や映像が気になって、食事に集中できません。

□姿勢が安定していない

足の裏は床や踏み台についていますか?胸とテーブルの高さは同じですか?落ち着いて食事ができる環境にととのえましょう。

□食事前におやつを食べている

生活リズムをととのえ、外で身体を使って遊ばせてお腹を空かせておくことも大切。食事とおやつの間は2〜3時間あけましょう。

□食事の時間が長い

遊び食べをしながらでも「全部食べてほしい」とねばっていませんか?無理に食べさせず食事の時間は20〜30分を目安に切り上げましょう。

特に遊び気分を引きずっていると、食べものをおもちゃにして遊んでしまいがち…。遊びの区切りがついたところで声をかけたり、テレビを観ているときは番組が終わったタイミングで食事に誘いましょう。

子どもは、いつも同じことをするのを好むので、食事の前に手を洗う、お気に入りの食事エプロンをつける、一緒にスプーンやフォークを並べる、ランチョンマットを敷くなど食事までのルーティンがあると自然と遊びから食事モードに切り替わります。食べる前に手を合わせ、元気に「いただきます!」もお忘れなく!

kids-foodictionary #07あそび-たべ【遊び食べ】

子どもが食べものをぐちゃぐちゃに握ったり、食器を投げたり食事中に遊ぶこと。好奇心のあらわれであり、成長の証。自分の目や手で食べものや食器の形状、触感、温度を確かめ、自分で食べる力を育てる大切なプロセスである。

次回は12月26日(火)公開予定です。

Profile

すだもえ
ライター、上級幼児食インストラクター。Webマガジンの執筆、食育ツールの企画編集をはじめ、料理・パン教室講師、フードコーディネーター経験をいかし食の分野を中心に活動。2児の母。日々子どもの食事づくりに奮闘中。
Instagram: @kids_foodictionay

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